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2013年6月17日月曜日

会員の演奏会・公開講座情報(2013年7月)

東京シンフォニエッタ第33回定期演奏会
野平一郎 生誕60周年記念
2013年7月5日(金) 19時開演
東京文化会館小ホール
-チケット : 一般4,000円 学生3,000円
-プログラム
  「ドゥーブル」「時の三重奏曲」「もう一つの...月」
  「アラベスク第3番」「聖杯の城への道」(全曲野平一郎作品)
-出演
  板倉康明(指揮) 小串俊寿(Sax.)  藤原亜美(Pn.)  斎藤和志(Fl.・会員) 他
-詳細情報



塙美里ミュージックサロン「パリの屋根裏部屋」
2013年7月6日(土) 14時開演
アクタスアンナホール (東京・渋谷)
-チケット : 一般3,000円 学生2,000円
-プログラム
  プーランク : 3つのノヴェレッテより第3番~フャリャの主題による
  プーランク : 即興曲第15番~ピアフに捧ぐ
  ミヨー : 組曲より「助奏」
  ボニス : ピアノ三重奏曲より「夜」
  ショスタコーヴィチ : 5つの小品
  他
-出演
  中村ゆか里 (Vn.・会員) 塙美里(Sax.)  木米真理恵(Pn.)




AYUO 2 NIGHTS SECIAL 
  + KAORI OHSUGA 
第二夜
2013年7月7日(日) 16時開演
KEN (東急田園都市線三軒茶屋駅・東急世田谷線西太子堂駅)
-チケット : 2,500円 定員約45名(予約者優先)
-プログラム
  前半「フレッド・アステアとブロードウェイ・メロディ」
  My Favorite Things
  Let's Face the Music and Dance
  The Continental
  Night and Day 他
  後半「アントナン・アルトーとジャン・ルイ・バロー」
  「アラベールとエロイズ」によるかたり
  &ピアノとパフォーマンスのための作品(Ayuo)
-出演
  AYUO(歌・ダンス) 大須賀かおり(Pn.・会員)
-詳細情報
  www.kenawazu.com




第15回国際日本学シンポジウム「フランスへの憧れ」
 - 生活・芸術・思想の日仏比較 - (第2日)
2013年7月7日(日) 
お茶の水女子大学共通講義棟2号館101号室
 11:00〜12:00 午前の部
 芳賀徹「ポール・クローデルと大正日本 - 詩人として、大使として-」
 13:30〜17:30 午後の部
 野村喜和夫「日本現代詩とポストモダンの思想」
 ローラン・テシュネ(会員)「アンサンブル室町:21世紀の新しい教育」
 有田英也「加藤周一<雑種文化論>に見るフランスと日本」
 アレクサンドル・マンジャン「フランス語圏の生存主義者たちと宮本常一: 比較研究」
-資料代 : 500円



Le Festival du Cloître de Cimiz
Journée Japonaise avec Maître Kaoru Kakizakai
2013年7月20日(土) 21時開演
Cloître du Monastère de Cimiez, place Pape Jean-Paul II à Nice (France)
-プログラム
  メシアン : ハラウィ
  マルタン : バラード
  ドビュッシー : 西風のみたもの
  ドビッシー : シリンクス
  南部牛追い歌
  他
-出演
  小林真理 (M.Sop.・名誉会員) Philippe Bernold (Fl.)  Ariane Jacob (Pn.)
-詳細情報
  www.hexagone.net/music/nuits_musi_prog_cloitre.htm



Le Festival du Cloître de Cimiz
Musique de Film
2013年7月24日(水) 21時開演
Cloître du Monastère de Cimiez, place Pape Jean-Paul II à Nice (France)
-プログラム
  Bruno Coulais : Don Juan
  Bruno Coulais : Coraline
  Bruno Coulais : Microcosmos
  Laurent Petigirard : Le Marathon
  他
-出演
  小林真理 (M.Sop.・名誉会員) A Filetta Laurent Korcia (Vn.)
  Orchestre Philharmonique de Nice  Laurent Petigirard (指揮)
-詳細情報
  www.hexagone.net/music/nuits_musi_prog_cloitre.htm



Académie International d'été de Nice
小林真理声楽クラス
2013年7月23日〜7月29日
Conservatoire National de Region de Nice
-参加費 : 640€  + 3食込み1週間分の寮345€ (合計985€)
-お申し込み
  www.hexagone.net/music/


2013年6月8日土曜日

アラン・ゴーサン作曲マスタークラス&コンフェランス開催報告

日仏現代音楽協会主催としては春の指揮法講座に次いで二番目の催しとなる「作曲マスタークラス&コンフェランス」が、去る6月6日(木)に新桜台近くのスタジオ1619において開催されました。当協会の名誉会長をお引き受け頂いているフランス人作曲家アラン・ゴーサン氏を講師に迎えた講習には、短期間の募集にもかかわらず受講生5名、聴講生14名の方々が参加して下さり、大変活況を呈するものとなりました。14時15分より始まった第1部の作曲マスタークラスでは、一人あたり45~50分をかけて作品のレッスンが行われましたが、教育者としても名高いゴーサン氏が受講生個々の作品になげかける視点と言及は、大変実際的でそれぞれに的を得たものだったと感じられました。またその真剣なやり取りを通じて「芸術音楽」というものに対する日仏両国間や世代間での意識の微妙な差異が浮き彫りにされる場面も見られました。受講生の皆さんが持参された作品の水準が高いことにゴーサン氏はとても驚き、満足されているご様子でした。

この日の白眉は第2部のコンフェランスであったと思います。ゴーサン氏はまず2006年に書かれた比較的新しい彼の室内楽作品であり、日本においてもEnsemble Vivoが2008年に演奏した「L'Harmonie des Sphères / 球体のハーモニー」を分析の題材として取り上げました。流麗な曲線を描く手書きによる様々な線描を出発点に、OpenMusic (IRCAMにおいて開発され、現在多くの作曲家によって使用されている作曲支援ソフトウェア)なども活用しつつそれらが音高やリズムの表現へと置き換えられ、スコアに定着していく過程が仔細に述べられて、視覚的な着想が聴覚による豊かな音楽作品へと結実していく様が非常に解り易く示されました。それは、ピュタゴラスとケプラーから想を得たというこの独創的なファンタジーと響きに満ちた作品が、如何に知的且つ論理的に構成されたものであるのかを我々に解き明かすばかりでなく、真の作曲家の仕事がどのようなものであるのかを身をもって示される素晴らしい内容であったと思います。



次に彼の代表作であるフルート・ソロ、ソプラノ・ソロとオーケストラによる大規模作品「Irisation-Rituel / 虹の光彩-儀式」(1980)へと話が進みましたが、残念ながら細部の分析をしていただく時間がもはや残されていなかったものの、精緻を究める大判手書きスコア(何と3部もご持参下さいました!)の迫力はそれだけで見応え充分なものであり、参加者一同、呪術的で神秘的な雰囲気をもつ作品のえも言われぬ魅力に聴き惚れ、圧倒されていました。


6時間半という長時間にわたって殆ど休憩もとらずにご指導、お話下さったゴーサン名誉会長と、彼のお弟子さんの一人でもあり、今回素晴らしい通訳をして下さった会員の作曲家台信遼さん、そしてご参加下さった全ての方々にこの場をかりて心から御礼申し上げたいと思います。